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【大学院留学ブログ@グラスゴー大学】データサイエンスコースの3学期に受講した授業内容について(後編)

くろかわ(kurokawa)

Postgraduate, @uofglasgow, Data Science MSc ← 国内IT (JV設立支援,事業&SL開発,大学講師,インフラエンジニア等) 初めての留学で経験したことや日常で感じたことを呟きます。

悩むねこ

海外の大学院で実際に勉強する内容を知りたいです!

こんなお悩みを解決します。

この記事で得られること

・グラスゴー大学のデータサイエンスコースの3学期に受講したモジュールについて

この記事の信頼性

この記事を書いている私は、2021年1月からUniversity of GlasgowのData Science [MSc]に進学しています。
当ブログやSNSでは大学院留学での経験や英語・ITの勉強について情報発信しています。

本記事では、海外の大学院で実際に勉強してきた内容についてお話しします。

大学院留学を目指す皆さんの中には、「実際にどういったことを勉強するのか知りたい」という方がいらっしゃるのではないでしょうか?

海外の大学院留学やコンピュータサイエンス・データサイエンスの分野に興味を持つ方に向けて、私が大学院の3学期中に学んだ内容を感想を交えて紹介していきます。

皆さまの留学準備(大学院・コース選びなど)や勉強の計画にお役立てください!

当記事では「実際に行ったこと」、「結果」、「課題・懸念」、「やって良かったこと」を共有します。

大学院留学の実体験を共有したいと思いますので、よろしければご覧ください!

くろかわ

今回の記事は以下の記事の続きとなります。

もしも、まだこちらの記事を読んでなかったら、先に以下の記事を読んでいただけますと今回の記事が読みやすくなると思います。

【大学院留学ブログ@グラスゴー大学】データサイエンスコースの3学期に受講した授業内容について(後編)

今回は、海外の大学院で実際に勉強してきた内容についてお話しします。大学院留学を目指す皆さんの中には、「実際にどういったことを勉強するのか知りたい!」という方がいるのではないでしょうか?イギリスの大学院留学やデータサイエンスの分野に興味があるという方に向けて、私が3学期中に学んだ内容を感想を交えて紹介していきますので、皆さんの今後の留学準備(大学院・コース選びなど)や勉強の計画にお役立てください!

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修論で実際に行ったこと

それでは早速、修論で私が実際にしてきたことを共有します。

実際にしてきたこと

  • 修論の大きなテーマを決める(3学期が始まる前)
  • 修論で取り組みたいことを決める(3学期:1・2週目)
  • 計画(3学期:1〜2週目と適宜)
  • 実装(3学期:3〜7週目と適宜)
  • 評価(3学期:6〜11週目)
  • 執筆(3学期:7〜11週目)

それぞれを以下に補足させていただきます。

修論の大きなテーマを決める (3学期が始まる前)

例えば、データサイエンスコースの場合は以下のようなテーマのカテゴリー(1〜5)があります。

学生はまずこの中から希望するカテゴリーを選びます。

  1. Information Retrieval, Recommender Systems & Natural Language Processing
  2. Data Systems & Data Applications
  3. Machine Learning & Mathematical Modelling
  4. Bioinformatics & Computational Biology
  5. Vision and Robotics

カテゴリーが決まるとそのカテゴリーにあった指導教官がアサインされ、その次に学生は指導教官と一緒に取り組むテーマを具体的に決めていきます

私は「5. Vision and Robotics」を第一希望とし、無事に希望が通りました。

修論で取り組みたいことを決める(3学期:1・2週目)

大きなテーマ(5. Vision and Robotics)を決定し指導教官がアサインされたました。

その後は、指導教官とミーティングをしながら実際に取り組みたいことについて考えていきます。

初回のミーティングの前に私は、「タイトル」「アブストラクト」「プロジェクトの目的」、「使用するデータ」などをwordファイル1枚にまとめ、指導教官に実際に取り組みたいことを相談しました。

計画(3学期:1〜2週目と適宜)

「修論で取り組みたいこと」と併せて、それをどうやってデータ分析して実現させていくのかを示すために具体的なプロセスとアクションを計画していきます。

例えば、「どうやって入力に使用するデータを取得するのか」、「どういった分析をしたいのか」、「何をアウトプットにするのか」、「どういったモデルを作成するのか」、「どういった評価指標を使うのか」などを考えていきます。

加えて、上述するアクションのスケジュールも計画しました。

第11回ミーティング資料

(9月20日から10月3日まではイギリス入国後の隔離期間だったのですが、滞在する部屋に机がなかったため、実際に作業(実装など)を開始できたのは10月4日からでした)

実装(3学期:3〜7週目と適宜)

一部の計画できた箇所(モデルに使用するアルゴリズムはまだ検討中だけど、データの取得方法は決められた!みたいな)に対して、コードをどんどん書き進めました。

プログラミング言語はPythonを使用し、目的に合わせていくつかのライブラリを使用しました。

1・2学期に学んだ内容は少しだけ役に立ちましたが、基本的には課題にぶつかっては自分で調べて解決していく形で進めました。

評価(3学期:6〜11週目)

続いて、実際に作ったモデルの精度を評価します。

評価してみると、新しい課題(「自分が作ったモデルの精度をもっと良くしたい」など)が挙がるので、それを計画、(教授と方針を相談)、実装して解決していきます。

こちらの評価は終わりが見えない作業だったので、締切日との兼ね合いで着地点を設定する必要があり、その見定めが難しかったです。

執筆(3学期:7〜11週目)

7週目からは修論の執筆を進めました。

大学院側が指定したテンプレートに従い、IntroductionからAppendixまでを書きました。

指導教官は修論のレビューをしてくれなかったので、DeepLとGrammarlyを利用し英語の表現は改善しました。

結果について

2021年12月10日(金)に修論を無事に提出することができました。

そこから2ヶ月間ほど経ちまして、大学院側から2022年2月15日(火)に修論の結果を受けました。

結果は「Distinction」(グラスゴー大学の評価でいうとA5)でした。

結果はメールで通知されます

課題・懸念について

続いて、修論執筆における私の課題と懸念を共有します。

皆さまへ

私の課題と懸念を共有することで、これから修論を書く方に少しでも参考になれば良いなと思います。

もしもその他不安なことがありましたら、Twitterで相談してください。

修論で使える期間は2021年9月20日から12月10日までの約12週間しかありませんでした。

そのためリスク(成績が伸びない、スケジュールが遅延するなど)をできるだけ減らしたかったので開始早々に以下のような課題・懸念を考えました。

  • そもそもどうやって進めればいいのかわからない(例えば、(1) 分析するデータの集め方、(2) 論文の書き進め方 など)
  • 教授がおっしゃっていることを正しく聞き取れない
  • スケジュールが遅延しているかどうか不安
  • マシンのスペックが足りなかった
  • 限られた時間内にプログラムの実行回数を増やしたい
  • 正しく評価できているかどうか不安だった
  • 体調を崩すかもしれない

やって良かったこと

上述した「課題・懸念」に対して、私は以下のような対策をしました。

それらを「やって良かったこと」として共有します。

疑問点があった時は「教授にすぐに相談すること」を前提としたいところですが、私の指導教官は週1回のミーティング(30分間)でしかやりとりできず、それ以外の時間帯でメールを送ってもスルーされました。

1. そもそもどうやって進めればいいのかわからない(例えば、(1) 分析するデータの集め方、(2) 論文の書き進め方 など)

(1)分析するデータの集め方

データ収集方法について明記されていれば良いのですが、私の場合は特に指定はありませんでした。

しかしながら、例えば、(今までの経験などをふまえて)私はYouTubeの動画をプロジェクト用のデータとして使用することはできないと勘違いしてました。

以上より、使用できるデータについては自分の思い込みで判断せずに周りの同級生や指導教官に確認することをおすすめします。

(2)論文の書き進め方

大学院側で論文のフォーマットを指定くれたことに加えて、過去の先輩たちの修論を見ることができました。

また、自分が読みやすいと感じた論文を探し、その著者の話の進め方などを参考にしました。

2. 教授がおっしゃっていることを正しく聞き取れない

この課題に対しては、ミーティング前にスライドを用意して自分の考えを共有することにしました。

3. スケジュールが遅延しているかどうか不安

周りの同級生にスケジュールを頻繁に確認しました。

確認できたスケジュールから2週間くらいマイナスして計画の修正などを行ってました。

4. マシンのスペックが足りなかった

こちらは、プロジェクトに必要なライブラリを動かすためにGPUが必要でした。

無料の「Google Colaboratory」はGPUの使用制限があり、それに対して私はGPUをより長く利用したいと考えたので、Google Colaboratoryに課金しました。

5. 限られた時間内にプログラムの実行回数を増やしたい

「分析を実行してから終了するまでにどのくらいの時間がかかるのか?」、「それを何セット繰り返し行えば、納得のいく結果を得られることができるのか?」などを見積もることが難しい状況でした。

そのため、できるだけ寝ている時間(7〜8時間)も分析を実行できるように意識しながらコードを書きました。

例えば、データ分析の処理をひとつのファイルにまとめて記述して一気に実行するためにシェルスクリプトを用意しました。

6. 正しく評価できているかどうか不安だった

修論の評価軸のひとつに「自分のアウトプットに対して批判的な評価をして下さい」とあり評価比重も比較的に多く占めてました。

そこで毎週行われるミーティングの前に、「実際のアウトプット」、「考察」、「今後のアクション」を(松竹梅みたいに比較できるように)いくつか用意しました。

実際のアウトプット

7. 体調を崩すかもしれない

コロナウイルスに感染する恐れや初めてのインド人との生活(ヒーターが機能しないため家が寒すぎる、毎日カレー)で体調を崩すかもしれないと考えました。

それに対して、12週間のうち2週間をバッファとし、実際に作業できるのは10週間としてスケジュールを立てました。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

この記事では、グラスゴー大学のデータサイエンスコースの3学期に受講したモジュールについてお話しました。

イギリスの情報系の大学院ではどういったことを勉強するのか少しでもイメージできれば嬉しいです。

こちらの情報を参考にしていただき、例えば、データ分析に興味があるけど、

(a) もっとビジネスを中心に勉強したい場合は、 Business Analyticsなどのコース

(b) もっと統計を中心に勉強したい場合は、StatisticsData Analyticsなどのコース

(c) 総合的に勉強したい場合は、コース自体の期間が長い(2年間)オーストラリアの大学院のコース(Master of Data Science at the University of Melbourne, Master of Data Science at the University of Queensland)

などを検討してみてはいかがでしょうか。

こちらの記事が、イギリス大学院留学・データサイエンスに興味を持っている方にとって少しでも参考になれば幸いです。

今回の内容は以上となります。

当記事をお読みいただきありがとうございました!

当ブログの発信内容についてご質問・ご希望がございましたら、当ブログのContact Usもしくは私のTwitterアカウントまで何なりとお申し付けください。

くろかわ

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